■コラム■有酸素運動の意外なデメリット

2024/09/03

まずは以前書いたこちらの記事をご覧ください。ダイエットに有酸素運動が必要か不必要かについて触れています。
トレーナーをやっていると必ず受ける「有酸素はやったほうがいいですか?」という類の質問。もちろん理想を言えば筋トレも有酸素もやったほうが良いとは思いますが、この質問をされる度にお伝えすることがあります。

【24時間中、運動に割ける時間はどれくらいありますか?】
この質問に対して「ほぼ毎日3時間はあります!」という方なのか、「平日は30分でも難しいです」という方なのかでやるべきかどうかの差が生まれます。

ご存じの通り、有酸素運動は「低い強度で長い時間続けられる運動」のことを言います。逆に、重い物を持ち上げる筋トレや短距離のダッシュは強度が高すぎてほんのわずかの時間しか持続できません。これを無酸素運動と言います。有酸素運動は体脂肪を優先的に消費出来るという大きなメリットと引き換えに、デメリットとして【体脂肪を減らせるほどのカロリーを消費するにはまとまった時間が必要】という性質を持ちます。
「まとまった時間が必要」という点では筋トレも同じですが、
長期的に代謝を上げ、体のメリハリをつけ見た目を引き締めていくという大きな目的の違いがあります。優先すべきは筋肉を鍛えて代謝を高くすることで、それプラス有酸素運動に割く時間があるのかどうかが問題です。

朝8時に家を出て仕事に向かい、夜21時過ぎに帰宅。午前1時頃就寝するという生活を送っている方がいるとしましょう。睡眠時間と仕事の時間で24時間中19時間~20時間を取られ、食事やお風呂、家事などを行っていれば自分の時間なんてほぼありません。そんな中、わざわざ着替えてジムに行くなり公園に行くなりして30分早歩きをする時間と元気はあるでしょうか。そこで頑張って30分早歩きをしたとして、消費されるカロリーはコンビニのおにぎり1個に満たないほど…そう、有酸素運動で消費されるエネルギーは思いのほか少ないのです。

ですので、
有酸素運動を1日のスケジュールの中に組み込める時間的余裕があるのなら筋トレに追加してやるべきだと思いますし、忙しくてそんな時間が取れないのであれば無理して行う必要はないと思います。それこそよく聞く、駅までの往復を歩くとか、なるべく階段を使うようにするとかそういった事で身体を少しでも動かす意識を持つことで十分代用可能かと思います。現在では1回30分まとめて歩くのと、10分×3回を歩くのではダイエット効果は全く変わらないとされています。
時間がたっぷりあるのに運動に割く時間が無いなんてのは甘えです!

さんざん筋トレを推していますが、そんな筋トレにも当然デメリットがあります。正しいフォームを習得する必要がありますし、負荷や回数の設定など少し踏み込んだ知識も必要です。また、効果が出るまでに最低でも3ヶ月程度は時間を要しますのでモチベーションが続かないということもあるでしょう。その点ウォーキングやジョギングなどは「練習」など必要なく今すぐ誰でも手軽に始めることができます。どちらも一長一短あるわけです。


「与えられた時間だけは皆平等」という言葉もありますが、24時間という限られた1日の時間の中で自分の身体や健康の為に時間を使おうと思い立つだけでも僕はすごいことだと思います。だからこそ、その時間を無駄にして欲しくないのです。その時間を作った意味を、成果を感じて欲しいのです。
スケールの大きい話になってしまいましたが、時間的に余裕があるのなら筋トレ+有酸素運動を行いましょう。そうでないのなら無理をして行う必要はありません。有酸素運動は行わなくても筋トレと食事の改善だけでスタイルアップは十分可能です。だから多くのパーソナルジムでは有酸素運動を行わないのです。
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