■コラム■不安やストレスが筋トレで楽になる?

2024/07/23

皆さんは日々の生活の中でストレスを感じていますでしょうか。ストレスや不安が一切ないなんて方はまずおらず、多かれ少なかれ心にモヤモヤをお持ちだと思います。
こうした「心のストレス」に対して、筋トレをすることで一時的に心が軽くなる可能性があるというのが今日のお話です。特に僕自身、この効果を強く感じておりますのでぜひ紹介させてください。

【脳は肉体的なストレスを精神的なストレスよりも優先して処理をする】
人間の脳にはこうした性質があると言われています。要するに「肉体的にしんどいことをしている時に、悩みや不安など感じることはできない(そんな余裕がなくなる)」ということです。確かに全力ダッシュをしながら仕事でミスをした時のことは考えられません。脳としては今この瞬間の肉体的な負荷、疲労、痛みをすぐに処理して対応する必要があるわけです。この脳の働きのよって、「筋トレをして肉体を追い込むと心が軽くなる」という理屈が成り立ちます。

若い女の子などがリストカットや痛みの強い部位にいくつもピアスを開けたりするいわゆる【自傷行為】をすることがあります。心の病気、周囲へのアピールなど理由は様々ありますが、一つに【解決できない苦悩や不安感を軽くできるから】だと言われることがあります。これもまた、上述したように肉体的ストレスを自ら与えることによって精神的な安定を取る行為なのです。
心の辛さを感じているのに、さらに体まで傷つけたら余計に辛いだろうと思いますよね。なぜ自分の身体を痛めつけると不安感情が軽くなる気がするかというと、脳が肉体的な痛みを感じると血液中にエンケファリンや β-エンドルフィンという脳内物質が分泌され、それらが鎮痛作用や鎮静作用を持つことから苦痛が収まったように感じるからだそうです。実際に、自傷行為経験者はその行為の後に不思議と安堵感や爽快感すら感じると表現するようです。また、徐々に刺激になれてしまい頻度や度合いがエスカレートしてしまうとも。何だか筋トレに似ていますね。

リストカットにしろ運動にしろ、それによってストレスの元凶が消え去る訳ではありません。嫌いな上司が地球の裏側に飛ばされるわけでも、別れた恋人が戻ってくるわけでもありません。効果はあくまで一時的なもの。しかし何もせず、浮かんでは押し寄せてくる悩みや不安、重圧に耐えようと我慢していては精神が持ちません。ストレスは吐き出すべきです。リストカット(自傷行為)はただいたずらに身体を傷つけるだけですが、筋トレや運動は違います。苦痛や痛みは伴いますが、その後自分に成果となって返ってくる行為です。どうせ痛くて辛い思いをするなら見返りがあったほうがお得だとは思いませんか。もしかしたら、筋トレにどっぷりはまっている方の中にも、日常生活があまりにもしんどいのでそれを紛らわそうと必死に追い込んでいる人がいるのかもしれません。

今日は精神的なストレスの発散に肉体的負荷を掛けるという方法がある、そしてどうせなら建設的な痛みを感じてみるのはどうですかというお話をさせていただきました。

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