■コラム■SNSが摂食障害を引き起こす?

2023/12/12

細いインフルエンサーと言えば思い浮かぶゆりにゃさん↑※決して特定の個人の体型を中傷する意図はございません。
 

SNSは偉大です。たった5分も覗けばとんでもない量の他人の顔・体型や私生活を目にすることが出来ます。お金持ち、美人、イケメン。スタイル抜群の女性に筋骨隆々な男性…それは私たちの価値観に無意識に刷り込まれ、影響を与えるようになります。個人的に僕はこれをあまり良いものとは考えていません。特に他者の影響を受けやすい若い子にはあまり触れて欲しくない。
加工かどうかはこの際置いておきましょう。こうした過度に細かったり極端に美しい顔やスタイルを目にし、そこに称賛や羨望の言葉、「いいね!」やフォロワーが何万何十万と付いているのをほぼ毎日見ることでしょう。これらを頻繁に目にすることがあまり良くないと思う理由が2つあります。

1つは自分の体型に自信が持てず不満を感じるようになること。(醜形恐怖とも言います)
もう1つは痩せていることこそ美しい、そうでない人は醜いという歪んだ美的感覚・差別意識を得てしまうことです。
これらは自分の体型を忌み嫌い、太っているという思い込みを生み、摂食障害の原因になりえます。

まず多くの女性が「理想的」と感じる方々の体型は、おおよそ「普通」ではありません。圧倒的に低体重・低栄養であったり不健康だったりします。健康を害してでも、その体型でいることを望んでやっているのか半ば強いられてやっているのか、維持し続けているのです。その中には既に拒食症の方もいるかもしれません。
そんな「異常なほど痩せた」人々をテレビやSNSで繰り返し見ていると、あたかもそれが「普通」のように感じ、自分の理想像=「ああなりたい」として焼き付いてしまいます。みんなから可愛い綺麗と言われるわけですからうらやむのも当然です。
こうなると、今の自分の体型が「太っていないいわゆる普通体型」だとしても太っている=劣っているように感じてしまい、不要なダイエットや無理な減量に掻き立てられてしまうのです。

特に他人の体型には魅力を感じるけれど自分の体型は全然ダメ。醜くくて恥ずかしい…という歪んだ自己認識はとても危険です。食べることが怖くなる摂食障害のリスク、自己肯定感がどんどん下がりうつ病などになってしまう事すらありえます。過度な体型へのこだわりや憧れは身体だけでなく心も壊す原因となり得ることを知っておかなければなりません。これも特に若い子ほど起こりやすいと言われています。
ほとんど病気とも言えるような細さを求めることはそれこそ死に向かうようなダイエットをすることになりますから、確実に健康を害します。長生きよりも日々の健康よりも、「細い」の言葉と「いいね!」が欲しい、そうまでして満たしたい承認欲求があるのでしたら周りがどうこう言えません。…ただただ恐ろしいなと思います。

最近の10代、20代の女性は細い子が増えたと思いませんか。その感覚は正解で、年々日本では「痩せすぎ」の女性が増加しているそうです。(ちなみに男性も。)街に細い子が増えれば、「どうして私はあの子みたいに細くないんだろう」と感じる子が増えます。その劣等感は何の原因になるか…は前述した通りです。

病院に行って摂食障害と診断されなければデータとして挙がっては来ません。年々増加傾向とはありますが、それも全てがSNSが原因ではないでしょう。ただ、今後しばらくはSNSが廃れていることは考えにくいですし、何ならもっと多くの情報を目にするツールとなり得ると思います。そうなったとき、更に自分の体型や体重に対して過敏になり健康を害するような低体重を目指す方が増えないといいなと切に願います。人と比べるにしても、慎重に相手を選ぶ必要があります。

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比較するなら他人ではなく過去の自分と。

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